スローハンドとは

クラプトン様のニックネームはいうまでもなく「スローハンド」だが、若い人の中にはそのままの意味と受け取る人がいて驚く。たいていはギターの初心者か全く弾けない人で「ギターがうまい=早弾き」と信じている人たちだが。実際は、クラプトン様のあまりに激しい演奏でギター弦が切れ、張り替える間観客がゆっくりと手拍子した。その手拍子(拍手)をスローハンドというのだ。観客は早くクラプトンの演奏の続きを聴きたくてはやし立てたというのが真相です。指が速すぎて逆に遅く見えるからという説がファンの間ではずっとまかり通っていて、僕はこっちの説も好きなんですが。
今ではすっかりレイドバックしてヴォーカリストとしても活躍している神様だが、ジョン・メイオール時代〜クリームの頃はかなり早弾きをしている。当時彼より早く弾けたのはジェフ・べックかジミヘンぐらいだった。リッチー・ブラックモアですらクリームの曲を真似ていたほどだ。(『ステッピン・アウト』≠『レイジー』)

ライヴ・クリーム VOL.2

ライヴ・クリーム VOL.2

(『ステッピン・アウト』)
ライヴ・イン・ジャパン(紙ジャケット仕様)

ライヴ・イン・ジャパン(紙ジャケット仕様)

(『レイジー』イントロ部分はリッチーも認めているがそっくり。)
因みにクラプトン様はリズム感が抜群で、3連符、5連符、7連符、9連符がヤードバーズ時代からソロのフレーズの中にひんぱんに登場している。実際コピーしてみるとこれはかなり難しいぞ。「リズム感」に関してはもっと評価すべきでしょう。べックのような変則リズムの曲ばかりが「リズム感」目立つけど、こういうところが実際神様の凄いところなのだ!
最後に、レス・ポールとマーシャルアンプを使ったエレキギターの音を発明したのもクラプトン様なのだ。ピーター・グリーン、ポール・コゾフ、ミック・テイラーらクラプトン・フォロワーと呼ばれるギタリスト達がこぞってレスポールを使い出し、その結果世界でレスポールが売れまくれ、ギターが売れなくて潰れかかっていたギブソン社がクラプトン様のおかげで息を吹き返したというのは有名な話だ。
これはクラプトン様以前のエレキギターが「ベンチャーズ」「アニマルズ」「ビーチボーイズ」みたいな音だった(演奏法の問題もあるけどね)ことで想像つくでしょう。その神様が「伝説」でなく「現役」なのも凄いのだが。では皆さん、日本通でもあらせられるクラプトン様に敬礼!
http://www.yunioshi.com/musicaboutjapan.html