速弾きといっても早退じゃないぜ。

「速弾き」というのはどういうフレーズを弾くかでまるっきり意味が変わる。単に沢山音を出すだけなら寺内タケシがギネス級だ。楽器には弾きやすい弾きにくいフレーズが当然あるし、音楽にはメロディ、リズム、ハーモニーという三大要素がもっとも重要で、もちろん超人的な技に感動するということもあるが、人を感動させる本当の理由とは、物理的な速さなんかじゃない。同じ曲でも弾く人によって全然違うクラシックがいい例だが、理屈では説明できないところで心打たれるのだろう。
でもロックギターの分野であえて速弾きを説くならば、ジェフ・ベックのアルバム『ギター殺人者の凱旋』の『スキャッターブレイン』という曲は彼が本番前に弾いていた”指馴らし”をそのまま曲に仕立てたものでこれはかなり高度(プロデューサーのジョージ・マーティン卿がアレンジ)だろう。
Blow By Blow
同じ世代ではリッチ−・ブラックモア、シカゴのテリー・キャス、テン・イヤーズ・アフターアルヴィン・リースコーピオンズのジョン・ウリ・ロートなど。ジャズ系も紹介すればたくさんいるのだがジョン・マクラフリンやアル・ディメオラなどもかなり速い。
(下記スコーピオンズのアルバム中では『カロンの渡し守』が大傑作!)
暴虐の蠍団?TAKEN BY FORCE?
そこでエディ・ヴァン・ヘイレンだが、彼以降、ライトハンド奏法が世界の「速弾き」を変えてしまい、ギターを断念した人も多いと思う(何だかギター弾くのが嫌になっちゃうんだ)。
でもライトハンド奏法って左の指が届かないから右手を使っただけで、冷静にコピーしてみると結構簡単だったりする。このライトハンド奏法、実はアラン・ホールズワースが得意としていたのをエディ・ヴァン・ヘイレンが進化させたものなのだ。(とはいえ、下のアルバムの2曲め『暗闇の爆撃』は弾けん…)
炎の導火線
プログレの傑作下記アルバムの一曲め『イン・ザ・デッド・オブ・ナイト』は7拍子!そこで転回するギターソロでは6連、5連符がゾロゾロ出てきてあ〜もうわからん!)
UK
その後速弾きギタリストとしてもてはやされたのはイングウェイ・マルムスティーンをはじめ、アルカトラズの後輩スティーブ・ヴァイ、彼の師匠のジョー・サトリアーニ、ポール・ギルバート、ジョージ・リンチ、、クリス・インペリテリ、ジョー・ペトルーシ、ヌーノ・ベッテンコート、リッチー・コッツェンあたりか。
日本人ではプリズムの和田アキラ高崎晃マーティ・フリードマンでしょうね。あ、マーティは日本人じゃなかったかな。まあ、ここに挙げた人々はバラードなんかを弾かせても抜群に感動させるプレイを披露する。だからプロなんだ。速弾きのスピードだけをもてはやしているのはまだまだヒヨッ子だぜい。
和田アキラの最高傑作。もう30年になるのか…)
PRISM