医者か役者か?究極の選択。

モンティ・パイソンのメンバーだったグラハム・チャプマンはケンブリッジの医学部を出ていると前回書いたが、
http://d.hatena.ne.jp/yunioshi/20060716
この学部(学寮)はもちろん今でも世界でも最も優秀な頭脳が集まる最高学府。ここの医学生は卒業記念に皇太后主催のお茶会に招かれる。(将来を期待されている証拠なのだろう。因みにケンブリッジ大の学者・卒業生はノーベル賞受賞者を81人も出していて世界一である)。でチャプマンも行ったわけだがこの頃の彼はまだ医者になるか役者になるか迷っていた。すでに医者としての勤務先も決まっていたが、劇団のニュージーランド公演も決まっていた。
そこで皇太后に「僕はニュージーランドに行った方がよいのでしょうか?」と聞いてしまった。彼のことを知ってか知らずか皇太后は「ニュージーランドはいいところよ。あんたは行くべきよ!」とおっしゃった。それで彼はそのお言葉を「王室の命令」ということにし、役者には反対していた両親を説得し、芝居の道を選んだ。
医者か役者か?すごい選択ですなあ…。でも親御さんは泣いたろうに。
とにかくこの公演をきっかけに彼はモンティ・パイソンのメンバーになって、後に国営BBC放送で英国王室をもネタにしたコントをいっぱい披露することになる。因みにBBCで最も禁じられていた「4字言葉」を史上最初に放送で言ってしまったのも彼である。
モンティ・パイソンの映画やチーチ&チョンのシリーズでも主役・脚本を手がけるなどメンバーの中でも様々な才能を発揮した。

だが「医者の不養生」の言葉どおり彼は早死にしてしまう。
それは奇しくもモンティ結成20周年記念パーティの前日だった。
晩年はアル中になりボロボロだったそうだ。また彼はゲイだったがカミングアウトもしていてコントの中にはそれをネタにしたものもあった。
面白いのは彼の死後もモンティ・パイソンは何度か再結成しテレビなどに出ているのだがチャプマンもちゃんと共演している!…遺灰でね。


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今なおぶっ飛ぶ。


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ローズ・イン・タイドランド