両手両足違うことができるのはきっとB型だな。

http://d.hatena.ne.jp/yunioshi/20060906
の日記で紹介した、ジューダス・プリーストの名曲『罪業人Sinner』
背信の門(紙ジャケット仕様)
のドラマーはサイモン・フィリップスだ。
ヘビメタの人か?と思いきや彼はどんな時代のどんなジャンルの音楽もまったく難無くこなすスーパードラマーとして知られている。いつも決まったバンドに所属することがなく、ほとんど「フリー」な立場なので、あちこちのバンドでドラマーが急死したり急に脱退するとだいたい彼がその代役につき、何となくいつも「ドラムの代役」といえば必ず彼に指名が来るという感じがする。ザ・フーキース・ムーンやTOTOのジェフ・ポーカロなどの時がその例である。だが、職人というよりミュージシャンがみな尊敬するタイプなのだろう、このほか
スタンリー・クラークミック・ジャガー、ゲイリ−・ムーア、マイケル・シェンカー、ジェフ・べック、ドリームシアターなど
そうそうたるミュージシャンのアルバムやライブでドラムを務めていて、もちろん「代役」を遥か超えた仕事をこなしている。
僕は’92年ごろにジャック・ブルースと来日した時に実際に目にしたのだが、その手数の多さと正確さにもう圧巻としかいいようのなかった。一緒に行った人たちも「凄い…」のひとことでした。何せほとんどオールタイムのダブルバスドラム。左右が全然別のリズムを刻んでしかも左右両手も変則リズムの嵐で…ああ、もう訳分からん!


もう10年以上も前の話になるが音楽仲間と飲みに行った時、日本の代表的なフュージョンバンドのベーシストだったTさんがいて、彼の業界話で盛り上がった。それは、ある日本の有名バンドのドラマーが、サイモン・フィリップスばりにダブルバスドラムのセットだった。だがライブでの演奏ではほとんど右足だけで演奏し、見せ場のドラムソロの時だけダブルバスドラムを披露するそうで、しかもその時は「手」は休めて体をスネアとかにうつ伏せになって足だけドコドコ速弾きするのだという(もうここで同席者皆爆笑である)。しかもその見せ場でファンの女の子たちが「素敵ー!」「凄い〜!」とか声援を送ると聞いて一同また大爆笑だった。
つまり、日本のバンドのレベルでは「ダブルバスドラムは曲芸としてもてはやされるもの」なのだが、サイモン・フィリップスのレベルでは、そんなのは単なるバスドラムの基本であり、たいしたことはない。そんなのはできて当たり前。ドラムとは両手のドラミングが当然加わってこそ真価されるものであり、いかに両手両足を使うかが問題なはずだ。日本のロックの程度が知れるエピソードだろう。
まあ、サイモン・フィリップスは特別な天才なのかもしれないが「日本のロックドラマー」たちが彼くらいのレベルに到達するまでにはまだだいぶ時間がかかるに違いない。せめて日本のリスナーやミュージシャンはもっと「本物の演奏」に触れて耳を肥やさないとだめなんだろうな。
で、そのソロ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=SDFSDG0645w



クラプトン、べック、ペイジの奇跡の共演。その時のドラマー。
アームズ・コンサート ~三大ギタリスト夢の競演~ [DVD]


ジェフ亡き後TOTOの集大成のライブでは
ライヴ・フィールズ


サイモン・フィリップスの公式ページ
http://www.simon-phillips.com/