次に忘れるのは形容詞?

ちょっとサボりすぎでしたね。すみません。

記憶が失われるシチュエーションの映画の続きで今回は…
映画『アルジャーノンに花束を』 公開時邦題『まごころを君に』(1968年アメリカ映画)
で僕の大好きな映画のひとつです。
アルジャーノンに花束を [DVD]

原作はダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を(FLOWERS FOR ALGERNON)』。
アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫) [ ダニエル・キイス ]


知的障害があって皆に「バカ」にされているチャーリーが主人公。
彼はあることをきっかけに研究施設から健常者になるべく脳手術を受ける。ところがそれは一種の人体実験で、手術の結果、彼は一気に超天才になり、世間の注目を浴びることになる…。

「アルジャーノン」とは、主人公と同様、脳手術を受けて天才になった実験用ネズミの名前で、そのアルジャーノンは原因不明の病気で早死にしてしまう。だから原題が「アルジャーノンに花束を」でとてもよいイメージを与えてくれる。
映画の原題は、主人公の名前「CHARLY」だが、タイトルロゴではRがわざと逆に書かれていて、これは知的障害者の主人公が書いたという設定で、これはこれで意味があった。
原題とも関係ないし、なぜ『まごころを君に』という邦題になってしまったのだろう?

脚本は、本作でアカデミー脚本賞を貰ったスターリング・シリファント。名作『夜の大捜査線/続・夜の大捜査線 オリジナル・サウンドトラック』や『タワーリング・インフェルノ [DVD]』『ポセイドン・アドベンチャー [DVD]』を手がけた人。
かの『キラー・エリート』もこの人で、ジャンルを問わない職人的な(要するに出来不出来の差が激しい)脚本家だ。
http://www.yunioshi.com/movies2.html#killer


主演のクリフ・ロバートソンはこの映画でアカデミー主演賞を受賞した。難しい役柄だがとても計算し尽した演技で、40年前の映画だけど日本の演劇関係者も注目すべき名演。

レインマン [DVD]』『フォレスト・ガンプ 一期一会 [DVD]』の主役(それぞれダスティン・ホフマントム・ハンクス。どちらも素晴らしい演技ですが)は最初から最後までずっと同じ知的障害者を演じていたが、この映画でのロバートソンは「障害のある人」から「凡人」〜「超天才」まできめ細かく演じ分けていた。それが凄いと思う。
僕は、彼がアル中のパイロットを演じた映画(日本未公開・ビデオの発売)に関わっていたので、最近映画で見ないな〜と気にしていたのだが、調べたら彼はちょっとしたことが原因でずっとハリウッドから干されていたらしい。だが最近やっと復活したということを知って安心した次第である。それが『スパイダーマン』の叔父さん役。「何か裏があるが実直な感じ」という役どころか?もう70歳過ぎだと思うが若いですね。
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主人公チャーリーを世話する女医役のクレア・ブルームはチャップリンの『ライムライト』で自殺未遂するあのバレリーナです。この人はあまり出演作がないのですがこの映画では非常にいい役です。
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ちなみに彼女はこの映画の脚本家スターリング・シリファントの代表作『夜の大捜査線』の主人公ロッド・スタイガーの奥さんでした。
またこの映画は1968年ですが、マシュー・モディン主役で2000年にもっと原作に忠実にリメイクされ、日本でもユースケ・サンタマリア主役でドラマ化されてます。
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よけいなことばかりの話になってしまいましたが
この映画の主人公チャーリーが、再び記憶などを失い行くことが分かってしまった時のショック。
それはもう息詰まるくらい切ないことです。(実は原作小説が一番感動的な描写なのですが)

最後に音楽のラヴィ・シャンカールシタールの名手(この映画音楽がまた素晴らしい出来)でビートルズジョージ・ハリスンの師匠。『バングラデシュのコンサート』でその名演を見せてくれます。
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ちなみに娘はノラ・ジョーンズ江國香織原作の映画『東京タワー』のテーマ曲をやっていた) です。
東京タワー プレミアム・エディション [DVD]


[rakuten:asahi-record:12095678:image:small]ラヴィ・シャンカール
[rakuten:book:11618853:image:small]ノラ・ジョーンズ