ワウワウって衛星放送じゃないぞ。

今回はギター機材について。
「ワウワウ」ペダルはペダルの踏み込む角度でトーンを極端に変化させるエフェクターだ。使い方に慣れると人がしゃべるような音や、かなりアグレッシブな効果や面白い表現ができる。プロのミュージシャンではフランク・ザッパがステージで使ったのが最初といわれており、
彼と交流のあったジミヘンとクラプトン様がほぼ同時期にニューヨークのマニーズという楽器店で購入している。レコーディングで最初に使ったのはクラプトン様でクリーム『英雄ユリシーズ』(1967年5月8日〜19日の間レコーディング、『カラフル・クリーム』11月発売)という曲。
Disraeli Gears
だがリリースはジミヘンの『真夜中のランプ』(同年7月6日レコーディング)が先だった。
エレクトリック・レディランド
ふたりともワウワウの特性を捉えてすでに使いこなしているのはさすが天才。その後ジミヘンは『ヴードゥ・チャイル』、クラプトン様は『ホワイトルーム』というワウワウ定番的名曲を残している。その名もずばりワワ・ウワ・ワトソンという専門家のギタリストもいるくらいだが、名ギタリストはたいてい名プレイを残している。ジェフ・ベックは『ディフィニットリー・メイビー』というインストバラードで、
ジェフ・ベック・グループ
ジミー・ペイジは『ノークォーター』という幻想的な曲で使った。
聖なる館
ソウル、ファンクではバックのコードカッティングで巧みに使われる事が多かったが、いい例はラブ・アンリミテッドの『愛のテーマ』
愛のテーマ~ベスト・オブ・バリー・ホワイト
クインシー・ジョーンズの『アイアンサイド』のギターかなあ。
グレイテスト・ヒッツ
ほかではスティーブ・ヴァイサンタナスティーブ・ハウあたりもさらりといい場面で使っている。
さて、わが日本にも達人はいるわけで、チャー、山本恭司、竹田和夫は抜群のうまさ。
でも僕が最高の出来だといつでも思っているプレイは荒井由実の『卒業写真』での鈴木茂のソロだ。
意外?
いや、あのソロはへたするとお笑いになってしまうところを、ぎりぎりまで抑え、優しく柔らかく切ない気持ちをギターテク駆使して表現している。もうおよそ三十年も前の曲だがあれを越えるソロはないんじゃないかな?特にソロのラストの5連符3つ連続部分は鳥肌もんで。僕は何度もコピーしたけど運指とペダルのタイミングが全然できないよ。
「ギターのうまさ」とは「速弾き」だけじゃないといういい例でしょう。
え?だれだ!今時ワウワウなど使わんていう奴は。
コバルト・アワー
日本音楽史に残る名作アルバムだと思うが皆どう?
『雨のステーション』は團伊玖磨が絶賛したという。僕も荒井由実いや現松任谷由実いややっぱりリリース時は荒井…ああああっめんどくさい!ユーミンだ!の曲の中で一番好きなんだ。