タバコ喫いたくなったぞお。これは不良の始まりだな…

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』(2005)原題:STONED
ようやく観て来ました!今回はクロックワークス様のご好意によりご招待状いただきました。ありがとうございました!
で感想は…
ストーンズの再現ドラマだが、期待していたほどメンバーがからんだ場面がほとんどなく、映画の大半はブライアン・ジョーンズの自宅が舞台で、彼が酒やドラッグに溺れた生活ぶりと、彼を殺したといわれる建築技師フランク・ソログッドとの少し異質な関係が描かれている。「フランクがなぜブライアンを殺したのか」その理由が明らかになるというのが、実はこの映画のテーマのようだ。つまり主人公はブライアンではなく、フランクなのだ。
だからストーンズのファンがストーンズの曲や彼らの若い頃の様々なエピソードを目当てに観に行くとなるとガッカリさせられるのでは。この映画ではブライアンが愛した古いブルース(ウィリー・ディクソンやロバート・ジョンソンなど)がメインで使われているので、むしろそちらが興味ある人の方が面白いかも。
僕はとても面白く観ました。当時のファッションや楽器などが忠実に再現されていて、それだけでわくわくしてしまいました。ブライアンが愛用していたVOXのギターやアンプ、コンボオルガンなどが出てくるし、車もロールスロイスジャガーのマーク?のタクシーなどが登場する。着ている服や指輪などのアイテムもまさに60年代のデザインで、何ともはやカッコイイ。気になったのはほとんどの登場人物がタバコを始終喫っていること。今どきこんな映画嫌煙団体のような所からクレームがつきそうなくらい。僕はタバコやめて20年くらいたつがみんな実にウマソーに喫うので何だか喫いたくなってしまった…。
それはともかく、映画自体は出来はそんなに悪くないと思うが、ストーンズに興味のない人には全くつまらないものでしょう。少なくともブライアン・ジョーンズの音楽的才能や彼の人生を予め知っていないと。要するにとても中途はんぱなのです。全くブライアンを知らない人でも楽しめるような作りでないし、また大ファンにとっては全く深く掘り下げたところがない。例えば『ローズ』だったら主人公がなぜクスリや酒に頼るようになっていったのかとか観客が感情移入できるつぶさな表現があったし、コンサートなどの見せどころや聴かせどころもあったが、この映画にはそういったところがあまり描き込まれてないのですね。だからずっとタンタンと物語が進行するだけで盛り上がりに欠けている。ここがいかにもイギリス映画っぽいので、それが逆に好きな人にはいいのかもしれませんが。
まあ、とにかくストーンズファンは必ず観に行って実際のところを感じて欲しいですね。


映画のラスト近くで出てくるブライアン追悼コンサート。25万人が集まったと言われる。
ハイド・パーク・コンサート リマスター版 [DVD]


これは深夜部屋を暗くしてバーボン(ロックで)でも飲みながら聴くと何だか涙が出ます。タバコはマールボロで。
コンプリート・レコーディングス