実は金髪だった、浅野忠信

今回の『ハーフマニア』からの注目の一人は浅野忠信です。今や渡辺謙真田広之とならぶハリウッドスターになりましたね!

渡辺孝行氏作

僕が始めて彼を見たのは『バタアシ金魚』の時だったが、まだ傍役にすぎなかったが顔があまりに強烈でよく覚えている。
石井克人の『鮫肌男と桃尻女』、大島渚の『御法度』など全く違う難しい役どころを気負うことなくサラリとやっているように見えて、この人は絶対大物になると感じたものだ。詳しいプロフィールなどは僕のサイトでも書いているのでこちらもご参考ください。

http://www.yunioshi.com/japaneseinmovies.html#asano


ここで思いっきり祖父はネイティブ・インディアンと書いてますが、実は浅野本人が公表していたことで、僕もその通り書いたもの。ところがNHKの番組で全く違う事実が判明した。この番組には泣かされました!『ハーフマニア』の執筆前に観ていたのだが強烈に印象に残っていたので、ぜひこの話を書きたかったのです。
では以下ご紹介いたします。



カルトムービーからハリウッド大作まで変幻自在の映画俳優

浅野忠信

祖父がオランダ、ノルウェーアメリカ人
あさの・ただのぶ 1973 年11 月27 日〜


日本では巨匠から精鋭と呼ばれる若手監督まで引っ張りダコの俳優。米アカデミー賞外国語映画賞候補になった『モンゴル』で主役チンギス・ハーンを演じたのをはじめ、『珈琲時光』『マイティ・ソー』『バトルシップ』『47RONIN』などに出演。世界からも高く評価されている。父はタレントのマネージャーだった佐藤幸久、母はアメリカ人と日本人のハーフ・順子。浅野はクォーターにあたる。現在はいかにもアジア人ぽい風貌だが、幼少の頃の写真を見ると金髪で、確実に西洋人の血が通っていることが分かる。

浅野本人は母順子から母方の祖父がネイティブ・アメリカンと聞かされており、プロフィールなどでもそう紹介されていた。2011年、NHKの番組『ファミリーヒストリー』のスタッフが順子の生い立ちを調査したところ、順子本人も知らなかった事実が判明した。
順子の母イチ子は、元芸者で離婚歴もあったが戦後間もなく横浜で15歳年下のアメリカ駐留軍の料理兵・ウィラード・オバリングと出会い結婚。ウィラードが朝鮮戦争に従軍していた1950年に順子が生まれた。兵役を終えたウィラードは帰国することになり、イチ子と順子も連れて帰ろうとしたが、直前になってイチ子はアメリカ行きを断り、離婚して順子とともに日本で暮らすことになった。順子はまだ4 歳であり、父ウィラードの思い出はほとんど無いという。その後父とは音信不通となってしまったため、順子は父とはその後一度も会っていない。イチ子からはウィラードはネイティブだったと聞かされていてそれを信じ込んでいた。しかし、NHKはアメリカで取材したところウィラードはオランダ系移民の父とノルウェー人系移民の母のハーフであることが判明。ウィラードの出身地ウィノナは昔からネイティブが多く住む地域だったので、英語があまり得意でなかったイチ子が聞き取り間違えしていたようだ。
ウィラードはアメリカで再婚し新たな家族を設けていた。妻の連れ子をかわいがり良き父だったという。1992 年に亡くなったが、遺品の財布の中に4 歳頃の順子の写真が大事にしまってあったのが見つかった。ウィラードは日本に残した娘のことを生涯忘れてはいなかったのだ。番組では浅野と母順子がその写真を見て号泣。さらにアメリカからウィラードの息子たち(連れ子)がやって来て感動の対面。初めて会う異母兄弟たちと抱き合った。

浅野は自分にオランダ人、ノルウェー人の血が流れているのを知りびっくりしていたが、今彼がハリウッドをはじめ世界の映画界で活躍しているのは、根っからの国際人である彼には必然のことだったのかもしれない。



あの番組の感動は僕の拙い文章ではなかなか伝えられない。映像をぜひ見てもらいたいところです。
親子の絆はどんなに離れていても、どんなに時間が経っても簡単に崩れるものではないのだなとこの歳になって改めて思い知らされました。

それと母・順子はハーフだけにかなりの美人ですが、順子本人もインディアンの血が流れていると信じきっていたようで、「自分はインディアンの女性みたいでしょ?」とインタビューに答えていて、そこはさもそう見えるから不思議ですね。


ところで去年、東京のお台場に出来たマダムタッソーの蝋人形館に行ったら浅野の蝋人形があってビックリした。それも何でか三池崇史監督の『殺し屋1』に出演した時の彼です。


(ユニオシ撮影)

ヤクザの若きリーダーだが、究極のマゾという設定の役。ヤクザ定番の「指詰め」の代わりに(嬉々として)舌を切っちゃう超変態です。この時の浅野の演技は僕にとってベスト1です。があまりにマニアックだし、すごい怖い人形で、子供が見たら泣き出すぞ。ナゼこのキャラ?と思いました。子供の頃は祖父の遺伝子からか金髪だった彼。もしかしたらこの人形に近い金髪だったかもしれないですねえ。興味のある方はぜひ行ってみてください。

ユニオシ推薦の映画はその『殺し屋1』。
タランティーノの『キルビル』に大きな影響を与えた作品。
鬼気迫る浅野・変態浅野の演技が爆発!


上と違って「正統派」のような演技を見せて泣かせてくれる。