ドゥユーノウ”ユー・ノウ・マイ・ネーム”?

ビートルズはオリジナルのアルバムを13枚作ったが、そのアルバムに収録されず、シングルだけで発表されている曲も実は多い。例えば有名な『ヘイ・ジュード』もそのひとつで、意外な感じもするね。これらのシングルのみの曲をレコード会社側が編集してまとめたその名も『ヘイ・ジュード』というアルバムもあって、それなりにファンは助かったが、年代も曲の並びもバラバラで「寄せ集め」感は否めない。ところでそういう寄せ集めアルバムにも入っていないシングル曲もあるのだ。
『ユー・ノウ・マイ・ネーム(ルック・アップ・ザ・ナンバー)(You Know My Name Look Up The Number)』という曲がそれで、相当のビートルズファンという人でもこの曲を聴いたことがないという人もいる。
この曲はジョンの作で、ビートルズ最後のシングル盤『レット・イット・ビー』のB面として発表された。録音されたのは1967年ごろ(『サージェントペパーズ』の頃)だったが、なぜかお蔵入りになってしまったもの。ジョンはプラスティック・オノ・バンドの曲として発表しようと考えたが、解散前後のゴタゴタでポールが無理矢理ビートルズのシングルとして入れたという複雑な経緯があって、ビートルズの曲の中でも異色の存在である。名曲『レット・イット・ビー』を聴きたい人はたいていアルバムを買ってしまうから、わざわざシングルまで手を出さない。だからほとんど「幻の存在」のようになってしまったのだ。だけどシングル盤『レット・イット・ビー』のA面の方は、アルバムのバージョンとギターソロが全然違うので、アルバムを持っている人が買ってもダブった感じがしないので大丈夫。僕がこのシングルを持っていた理由はこのバージョン違いが聴きたかったからでB面の『ユー・ノウ・マイ・ネーム』はおまけに聴いた感じだった。初めて聴いた印象は「何じゃこれは?」でした。
で、曲の内容だが、ピアノ中心の明るいジャズっぽいもので、ジョンがほとんど”ユー・ノウ・マイ・ネーム?”という歌詞をくり返して歌っている、曲というよりジャムセッションのようなおふざけに近いもの。最後にジョン?のゲップで終わる。完成度の高さとか内容的な理由でお蔵入りになったとも考えられるが、それなら最後までお蔵入りでもおかしくないくらい。(今は『アンソロジー』に収録)
アンソロジー(2)

で、特筆すべきところはといえば、なんとローリングストーンズのギタリスト、ブライアン・ジョーンズがレコーディングに参加していることで、これはレコーディングに来ないかとビートルズが誘ったら何を考えたのか彼はギターでなくサックスを持って来た。それで適当にサックスを吹いているのだ。これが早い時期に発表されていたら、『ホワイル・マイ・ギター〜』のクラプトン様より先にロックミュージシャンが参加したナンバーとして有名になったかも。その後ブライアンは亡くなってしまったので本当に貴重な曲になってしまったともいえる。
ところで、今日7月2日はブライアン・ジョーンズの命日である。彼の伝記映画『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』も公開されるし、ちょっと彼のことも思い出そうかな。

「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」公開記念盤 Premium Tribute to STONED(DVD付)

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